過去開催
2023年
環境問題・地方創生・国際社会
政策サミットテーマ
環境問題、地方創生、国際社会の3つの分野から1つを選び、日本が目指すべき2050年のビジョンを描き、その実現のために日本が行うべき政策をご応募ください
(1)政策提言の様子
政策コンテスト「次世代政策サミット」にて最優秀賞を獲得した成蹊大学政治学研究会国際社会チームが、菅義偉衆議院議員(前内閣総理大臣)に政策提言を実施しました。
日本のゲームやアニメなど世界的に誇る文化政策を包括的かつ強力に推進するために、政府主導で進める韓国やフランスと比較しながら、文化庁ではなく、新たに文化省を設立するという政策アイデアについて、菅前総理大臣とディスカッションを行いました。
(2)政策プレゼンテーション
最優秀賞
最優秀賞
成蹊大学政治学研究会国際社会チーム
文化省設立の建白書
~真の国際国家を目指して~
包括的かつ強力な文化政策を行う「文化省」を設立することによって、世界に誇る文化強国として確固たる地位を確立し、ソフトパワーによる平和的発展を促進する社会の実現に向けた政策が発表されました。
具体的には、現在の文化庁では、日本が世界から高い評価を受けているゲームやマンガなどのソフトコンテンツが十分に保護されていないことに注目し、韓国やフランスでの現代文化政策と比較しながら、文化庁を文化省に格上げすることによって、日本文化の世界進出の支援とJAPANブランドの保護を同時に行うべきという提案を行っていただきました。
優秀賞
奨励賞
奨励賞
私的所有と公共性チーム
地方における移住と資本の好循環を目指して
~アンストッパブルな都市一極集中へ、どう立ち向かうか~
世代循環型移住支援政策と住宅資本の維持・保存政策を組み合わせることで、市場経済で評価されにくい場にもヒト・カネを移動させる社会の実現に向けた政策が発表されました。
具体的にはまず、現役世代を都市で過ごし、シルバー世代になって田舎や郊外に住んでいる人々が、介助が必要な年齢になった段階で再び都市部に戻ってくるという世代循環型移住支援政策について説明がありました。その上でディベロッパーが土地を買い取って長持ちする家を建てながら、移住希望者に対して、きれいに使うことを条件に最低価格買取保証を行うことで、使い捨てではなく、持続可能・景観を重視する土地利用政策等について提案を行っていただきました。
(3)審査員クロストーク
トークテーマ
「2050年の未来~JAPAN再生戦略~」
時間:10/14(土)16:00~(50分間)
登壇者:山口豊氏・朝比奈一郎氏・石井正文氏
モデレーター:島田光喜(未来政治経済研究会代表)
審査員を務めて頂いた青山社中株式会社筆頭代表CEOでビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授の朝比奈一郎氏、株式会社テレビ朝日アナウンサーの山口豊氏、そして前駐インドネシア大使で学習院大学特別客員教授の石井正文氏の3名による特別クロストークを実施しました。
「2050年の未来~JAPAN再生戦略~」と題し、4つのテーマ(①日本の目指すべき2050年ビジョンとは何か?②『選択と集中』、日本の勝ち筋は?③課題先進国から課題解決先進国への転換④これからのZ世代に期待すること)について取り上げました。
第1のテーマでは、今回の次世代政策サミットのお題でもある「日本が目指すべき2050年のビジョン」についてディスカッションが行われました。朝比奈氏からは、「都市集中から分散型へ」「官民連携を加速させることで、より生活を国民が楽しめるような社会」というビジョン、山口氏からは「日本には再生可能エネルギーのポテンシャルがあること」「再エネを活かして、誰もが自由にエネルギーを安く作って使うことで自然と調和した持続可能な社会」というビジョン、石井氏からは「人的資源を集中的に投下することで生産性を高めること」「最大の挑戦である隣国中国との関係を踏まえ、ルール作りとアイデア出しで世界をリードしていく社会」というビジョンを示して頂きました。
第2のテーマでは、今回のテーマ「環境問題」「地方創生」「国際社会」を掛け合わせた分野における日本の勝ち筋についてディスカッションが行われました。まず、環境問題×地方創生では、現在、日本の地方において取り組まれている先進的な再生可能エネルギーの実例を元に、地方にお金が落ちる形で産業育成し、都市部から人口流入を図るためには、本当の意味で再生エネ発電のための設備や技術を日本国内・日本企業で作ることが必要という意見が提示されました。次に、地方創生×国際社会では、少子高齢化の流れの中で、インバウンド需要や外国人労働者という観点から、自治体外交が広まっており、国際政治が複雑化する中で、今後は必ずしも国同士の外交だけではなく、人的交流も含めた自治体同士の国際協力がカギとなるという指摘を頂きました。国際社会×環境問題では、現状、太陽光パネルや洋上風力、EV等で中国に依存していることに触れながら、なぜ国内で新技術を生むスタートアップやベンチャーが育ってこないのかディスカッションを行いました。日本の産業政策の構造的な問題として、既得権益による変化への拒絶、傍観・評論家ばかりでプレイヤーにならない風土があげられ、その中でもリスクを取ってチャレンジする人材が強く求められているという部分で、共通した意見が提示されました。
第3のテーマでは、課題先進国から課題解決先進国への転換の中で、特に「少子高齢化」問題について、世界の中でも先駆けてこの問題に直面する日本がノウハウを蓄積し、逆に世界に対して少子高齢化への対応パッケージを展開していく、共通利益を通じて国際的なプレゼンスを高めていくことが必要だとの指摘を頂きました。
第4のテーマでは、これまでのディスカッションを踏まえて、何が出来るかではなく、何をやるべきかという柔軟な思考、そして「指導力」ではなく「始動力」を持ったリーダーシップ、国民が真の意味で政治に参加し、再チャレンジできる社会を実現していくことが必要であるということを総括しました。そして、これからを担うZ世代は、硬直化している社会だからこそ、信念を持ちながらリスクを取って、挑戦していってもらいたいとの激励のお言葉を頂いて、クロストークが終了いたしました。
山口豊氏
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株式会社テレビ朝日アナウンサー
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1967年さいたま市生まれ。埼玉県立浦和高校、早稲田大学商学部卒業。
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日本航空勤務を経て、1992年にテレビ朝日にアナウンサーとして入社。以来30年、報道番組を中心に活動。報道ステーションでは10年にわたり、日本全国はもちろん、世界の災害や温暖化問題の最前線などを取材。
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著書には『「再エネ大国日本」への挑戦」』や『成長戦略としての「新しい再エネ」』がある。
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環境省中央環境審議会総合政策部会臨時委員、国土交通省水害時報道リスクコミュニケーション懇談会委員。
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YouTube「山口豊アナが見たSDGs最前線」は100万再生を超えている。
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1973年4月生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業。ハーバード大行政大学院修了(修士)。
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1997年~2010年経済産業省勤務。経済産業省ではエネルギー政策、インフラ輸出政策、経済協力政策、特殊法人・独立行政法人改革などに携わる。「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」初代代表。
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経産省退職後、2010年11月に青山社中株式会社を設立。筆頭代表・CEO。政策支援・シンクタンク、コンサルティング業務、教育・リーダー育成を行う。同社グループ法人NPO法人 地域から国を変える会理事長、一般社団法人日本と世界をつなぐ会代表理事。
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このほか、慶応義塾大学SFC研究所上席所員(~2012年)、中央大学大学院客員教授(~2016年)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授(~現在)。また、自治体アドバイザー、官公庁、団体の委員等を務める
朝比奈一郎氏
石井正文氏
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1957年11月3日、広島県東広島市生まれ
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広島学院中学・高校卒業後、1976年、東京大学法学部入学。同卒業後、1980年4月外務省入省。
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外務省勤務中は、本省では、外務大臣秘書官、総合外交政策局企画課長、アジア大洋州局南東アジア第二課長、地球規模課題審議官、国際法局長他を歴任。海外では、駐米大使館公使(政務担当)、駐英大使館公使(政務担当)、駐ベルギー国大使兼NATO日本政府代表、駐インドネシア大使を歴任。
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2020年12月に、3年8カ月間の駐インドネシア大使勤務を終え帰国し、2021年1月に外務省退官。
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現在は、学習院大学特別客員教授他を務める。
(4)当日の様子
来賓挨拶:金子 一也氏
松下政経塾 塾頭
閉会挨拶:山中 祥弘氏
学校法人メイ・ウシヤマ学園ハリウッド大学院大学 学長
決勝大会 日時:2023年10月14日(日)14:00~19:00(懇親会も含む)
場所:六本木ヒルズ ハリウッドプラザ5階 ハリウッドホール
13:30
14:00
14:05
14:07
14:10
14:15
14:40
15:05
15:30
16:00
16:04
16:17
16:37
16:47
17:00
17:10
17:15
17:30
開場
開会、司会挨拶(司会:加藤みづな)
主催者挨拶(未来政治経済研究会代表 島田光喜)
来賓挨拶(松下政経塾塾頭 金子一也)
審査員のご紹介
第1部 決勝プレゼンテーション開始
となりの教室制作委員会チーム
「『となりの教室』~地域統括型の教育プラットフォーム~」
私的所有と公共性チーム
「地方における移住と資本の好循環を目指して~アンストッパブルな都市一極集中へ、どう立ち向かうか~」
成蹊大学政治学研究会国際社会チーム
「文化省設立の建白書 ~真の国際国家を目指して~」
休憩
第2部 特別クロストークスタート
パネリストご紹介
テーマ1つ目 『日本の目指すべき2050年ビジョンとは何か』
テーマ2つ目 『『選択と集中』、日本の勝ち筋は?』
テーマ3つ目 『課題先進国から課題解決先進国への転換』
テーマ4つ目 『これからのZ世代に期待すること』
審査結果発表および講評等
審査結果発表および講評
閉会挨拶(学校法人メイ・ウシヤマ学園ハリウッド大学院大学学長 山中祥弘)
アンケート、閉会
懇親会
以降、懇親会
(5)政策提言から政策実現へ
【菅元総理が皇居三の丸尚蔵館の開館記念式典で挨拶(2023年10月30日)】
菅元総理は、日本の文化を単に保持・保存するだけでなく、国民や訪日観光客に対して積極的に公開し、日本にまだ眠っている潜在的な観光資源を掘り起こす政策活動に注力されています(ダイヤモンド・オンライン 2023年11月9日)
【萩生田光一議員が衆院予算委員会(2023年10月27日)で日本の文化政策、特に現世代・次世代のクリエイターへの支援や日本文化の戦略的輸出に関して質問】
衆議院インターネット審議中継
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=54723&media_type=
萩生田氏
「我が国としても、こうした事例を参考に、世界から評価される質の高いコンテンツを持続的に生み出すとともに、高付加価値、高収益のビジネスモデルとして所得の維持向上にもつなげるような戦略的な集中的支援、関係省庁を挙げての取組が必要だと思います。〈中略〉今般の経済対策の提言に、次代を担うクリエーター、アーティストの育成や、文化施設の次世代型機能強化、複数年にわたり基金で支援する仕組みなど、コンテンツ産業等の海外展開やロケ誘致の推進を盛り込ませてもらいました。コンテンツ産業の振興に向けた総理の決意をお伺いしたいと思います。」
岸田総理
「御指摘のように、コンテンツ産業、我が国の成長を牽引する存在であると思いますし、日本が誇るソフトパワーの海外への発信ですとか、インバウンド、さらには地方活性化などにもつながる重要施策であると認識をしています。(中略)。複数年にわたる支援、こうした点が重要であるという御指摘をしっかり受け止めて、クリエーター、アーティストの育成についても、複数年、弾力的に支援できるよう、基金も含め、支援制度を考えてまいりたいと思います。あわせて、文化施設の機能強化、文化芸術、そしてコンテンツの海外展開支援、そして大型海外映像作品のロケ誘致、こうしたものについても、政府を挙げて、関係省庁、連携しながら取り組んでいきたいと考えます。」
日本の伝統文化やアニメ・漫画といったコンテンツの充実、また、これらを伝える・創る人々の待遇改善をはかる政策は、2023年(令和5年)の国会(予算委員会や文部科学委員会等)で20回以上取り上げられており、日本の抱える重要な政策課題といえます。
次世代政策サミットでは、若い世代の新しい視点をきっかけに政策提言だけでなく、政策実現に向けた取り組みをサポートして参ります。
菅義偉氏 X(旧twitter)より
ダイヤモンド・オンラインより
衆議院インターネット審議中継より